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知らなきゃ損、損!NZ税金講座 第9回
脱税という名の落とし穴
脱税を行った当事者から、「見解の相違」という発言をよく耳にします。「税法を理解しなかったため、納めなければいけないはずの税金を払わなかった」ことがこの言葉の裏から読み取れます。このようなことを避けるために、不明点があればIRD(国税局)や会計士に問い合わせることが必要です。
(Quarter 2002年春号より)
英語では脱税をTax Evasion、税金を逃れるために苦策することをTax Avoidanceといいます。Tax Evasionは脱税ですからもちろん違法、Tax Avoidanceは、この国の税法である「Income Tax Act 1994」のBB 9の条項で規制されており、これも法律上脱税と見なされています。脱税に対する罰則はケースバイケースですが、IRDに起訴され、それが脱税と判定されると、脱税額に対し、最高150%までの追徴金が課せられるほか、政府の官報に公示、いわゆるブラックリストに名前が載ります。しかし、故意に脱税を行ったのではない場合や、IRDによる調査が行われる前に自己申告した場合は、起訴されることも官報に公示されることもなく、10%の延滞金のみで済みます。
税法をよく理解していなかったり、必要な経理書類を添付していなかったために、脱税と見なされてしまう場合があります。以下は海外からの移住者がニュージーランドでファストフード店を経営した際に起こった実例です。
IRDの監査により、このファストフード店の銀行口座に、数回にわたる不明金が入金されており、その合計額は13万7,000ドルにも上ることが判明しました。しかしこの入金を証明する書類が添付されていなかったために、IRDではこの金額を現金収入と見なし、法人税の33%として、約4万5,000ドルを課しました。これに対し、同店の経営者は、この現金は祖国にいる兄弟からの送金であり、事業の売り上げとは無関係であることを主張。この時点で初めて、祖国からの送金を証明する書類をIRDに提出しました。その後の捜査で、祖国に住む経営者の兄弟は、国内での税金対策のために、ニュージーランドに住む経営者の事業に投資したことが分かりました。またそれと同時に、米国の大型ファストフードチェーンの店舗が、このファストフード店の近くにオープンしたため、売り上げが落ち、経営資金が不足していた事実も浮かび上がってきました。
IRDの最終見解として、「経営資金不足などの事情は考慮するが、提出した書類では祖国に住む兄弟が経営に投資をしたという事実の証拠に欠ける」と判断し、このファストフード店には今後適切な経理書類を保管し、提出するよう、命令を下すと共に、最終的に追徴金として1万2,000ドルを課すという結論に達しました。
自宅でビジネスを行っている個人企業家であれば、例えば自宅の屋根の修理や塗装をした費用の一部を、ビジネスを行っている設備の修理代として計上することにより、法人税を軽減することができます。また自家用車をビジネスに使っている人は、ガソリン代や修理代の一部をビジネス経費として申告することができます。このように節税をしようとすれば、さまざまな方法が考えられますが、脱税か節税か自分で判断がつかない場合は、IRDや会計士に問い合わせた方が無難といえるでしょう。
矢野善之(やのよしゆき)
日系海外ホテルで、ファイナンシャルコントローラーとして会計業務に携わった経験を生かし、ニュージーランドにビズワールド社を設立。ビジネス・コンサルティング、留学、ガイド派遣業務を行っている。
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