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知らなきゃ損、損!NZ税金講座 第5回
ギャンブルと税金の微妙な関係
ニュージーランドのギャンブルといえば、ロト(宝くじ)、カジノ、競馬、ドッグレースなどが思い浮かびます。実際にこれらのギャンブルに挑戦した経験のある人も少なくないはず。今回はギャンブルで得た金品にかかる税金、ギャンブル産業の現状とその裏側について解説します。
(Quarter 2001年春号より)
ニュージーランドにはギャンブルで得た金品に関する税法上の条例はありません。しかしここで述べる「ギャンブルで得た金品」とは、「趣味の範囲で行ったギャンブルで得た金品」に限定されます。競馬の騎手などが生活するための収入源として賞金を確保する場合は所得税が課せられますし、カジノを経営するなど、ギャンブルをビジネスとする場合は一般企業と同じシステムで税金がかかってきます。上記以外で税法にあてはまらない場合、IRD(国税局)などに相談し、自分が納得のいく結論が得られなければ裁判に持ち込みます。次は、過去に起きたギャンブルに関する判例の一部です。
これは1925年に起こったケースです。A氏は定期的に競馬に通い、それなりの賞金を稼いでいました。しかしそれがA氏の唯一の生活収入であることからビジネスと見なされ、税金が課せられることになりました。これに対しA氏が裁判所に異議を申し立てたところ、「無職の者がギャンブルをする場合、あくまでも“趣味”を意味し、趣味の範囲として得た金品は無税」の判決が下されました。
これに対して、以下のケースは判決で税金を課せられた一例です。1973年、ウールの買い付け業を営んでいたB氏は、ビジネスがうまくいかず、かなりの赤字を計上していました。にもかかわらずB氏の個人資産が増えていたため、税務署が調査したところ、B氏は連日のように競馬に熱中し、かなりの賞金を稼いでいた事実が判明。高等裁判所の判決で、「B氏の事業は、競馬からの賞金を主要財源として成り立っていた。つまり賞金はビジネスを継続させるための手段であり、趣味の域を超えている」として、賞金に税金が課せられました。
ここでこの国のギャンブル産業の現状を解説しましょう。1999年7月から2000年6月におけるギャンブル産業の総売上高は13億ドル(約650億円)で、前年比の11%増です。売上高の構成比を見ると、第1位がバーやクラブなどに置いてあるゲームマシンの35%、第2位がカジノの26%、第3位がロトなどの宝くじの21%、第4位が競馬などのレースの18%になっています。以上の統計をみても、今日のこの国の経済を活性化するという意味でギャンブル産業はなくてはならない存在だということが分かりますが、その反面ここにはどのような問題が隠されているのでしょうか。
1978年にニュージーランド初のギャンブルに関するヘルプラインが設立されてから1995年まで、その相談件数は年間約1,000件程度とほぼ一定していました。しかしこの国にカジノが登場して以来、その件数は年間約4,000件と急増しています。ヘルプラインの使用者の内訳は、50%が当事者、35%が当事者の家族、そして残り15%がその他となっています。
一獲千金を狙い、スリルと興奮を味わえるギャンブル。「趣味の範囲で得た金品は無税」であるが故に、ギャンブル人気は衰えそうにありませんが、あくまでも節度を守って楽しみたいものです。
矢野善之(やのよしゆき)
日系海外ホテルで、ファイナンシャルコントローラーとして会計業務に携わった経験を生かし、ニュージーランドにビズワールド社を設立。ビジネス・コンサルティング、留学、ガイド派遣業務を行っている。
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