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合気道を広めるために来たニュージーランドで
信頼できるパートナーと英語学校を経営しています
Auckland English Academy 代表 高瀬 信夫 さん

●氏名:たかせ・のぶお/1947年2月6日、兵庫県生まれ/O型
●趣味:ボート、合気道
●座右の銘:Be Positive !
●ビジネスの歩み
男女平等の国、夫婦で英語学校を起業
ニュージーランドの国鳥キーウィ・バードは、メスが卵を産んだ後オスが卵を温める。その習性に似て、この国では「キーウィ・ハズバンド」と呼ばれる男性も家事や育児に積極的に参加するのが当たり前。料理を作るのが妻なら、食事の片付けは夫。掃除も2人で分担して行う。
そんな国に生まれ育ったバーバラ夫人と英語学校を起業した高瀬さんは、「家庭でもビジネスでも、『男だから』『女房だから』という発想はありません。50:50(フィフティー・フィフティー)であるべき」と語る。「そうはいっても実生活では奥さんに頼りっぱなしなんですけどね」と、公私共にパートナーである夫人に尊敬の念を忘れない。
「子どもたちに夢をプレゼントしたい」という思いから、夫婦で始めた英語学校。あえてオークランドの街中から離れた郊外の静かな住宅地を選んだ決め手は、生徒のための環境の良さだった。当時そのエリアに英語学校がなかったのと、90年代のアジア系移民の流入が幸いして需要が高まり、学校の経営はあっという間に軌道に乗った。
この国のマーケットを十分にリサーチした上での起業のようだが、もともとは英語学校を始めるつもりではなかった。「人生は摩訶不思議」と高瀬さんは笑う。大学を卒業した高瀬さんが初めてこの国を訪れた目的は、当時夢中になっていた合気道を普及させるため。2年間の滞在が終了したら、日本で高校の教師になろうと考えていた。それが今では、ニュージーランド全国、そして世界各地に支部を持つ合気道神流館の代表であり、生徒数100名以上を抱える英語学校の経営者である。
日本人カウンセラーのともこさんと打ち合わせ
オークランドの目抜き通り、クイーンストリート沿いのキャンパス
放課後にマルチメディア・センターでDVDを見ていた学生と談笑
時代のニーズとスタッフを重んじる経営方針
海外の経済事情に大きく左右される英語学校の経営。90年代後半から一気に増えた英語学校の数は、2003年をピークに減り続けているのが現状だ。その中でも学校を続けていけるのは、時代のニーズに合わせた経営方針にある。ワーキングホリデー制度が始まって以来、シティのキャンパスでは、日本人のワーキングホリデーメーカーを対象にしたコースを提供してきた。現地企業への就職サポートや、勉強とアルバイトの両立を可能にする時間割などがその良い例だ。
順調に見える学校の経営も、「設立当初は問題続きで、生徒とスタッフ、先生を抱えて一歩ずつ前進するのが精一杯でした」と、高瀬さんは当時を振り返る。例えば、多かれ少なかれ学校では生徒間で問題が起こる。心配する保護者など周囲の対応に追われて、肝心な生徒の問題が後回しになってしまうことがあった。しかし、その経験から生徒を第一に考えたトラブル・シューティングの方法が生まれたのだ。
生徒だけではない。どんなに能力のある先生やスタッフでも、どんなに経営者がポジティブに進めようとしても、ビジネスが空回りすることはある。英語学校として生徒に一定のサービスを提供できるようシステム作りにも力を入れた。英語学校としては珍しい世界レベルの認定証を取得し、クオリティーを高めるだけでなく、下がることを防ぐための基準を設けた。
この国ならではのやり方に戸惑うこともある。「相手の意見に反論しないで黙っているだけで同意したと思われる。そこから信頼関係も崩れていきます」。文化や価値観の異なるスタッフや先生だからこそ、信頼関係なくしては学校を経営していけない。「機械の歯車としてではなく、一人の人間として接する。それから経営者として、常に自分をプッシュして先に立つ。そうしないと、働いてくれている皆に失礼じゃないですか」。すぐに職場を変えるのが当たり前のこの国で、学生に好評の10年以上勤続の先生が多いのは、そんな経営者の思いが伝わっているからだろう。
合気道の精神には「Never Give Up」、ビジネスには「Be Positive」を掲げる高瀬さん。「ビジネスだからうまく行かないことももちろんあります。でも、人に迷惑をかけず、自分たちが元気であればそれでいいんですよね」。ポジティブに、しかし気負いなく――そんな姿勢がこの国においてビジネスで成功する秘訣なのかもしれない。
ニュージーランドで起業を目指す日本人へのアドバイス
約40年間に渡ってこの国で合気道を広めてきた
この国でビジネスを起業・経営する際に、必要な政府関係の書類や条件が頻繁に変わります。それまで必要だったものも政府が変わると急に要らなくなったり、逆に必要になったりします。確認を重ねることが大切です。また、特に現地のスタッフを雇う場合、雇用契約書は弁護士に作成してもらうことを勧めます。有給休暇や残業手当、解雇など、細かいところまで業種に合わせてニュージーランド人の各専門家の意見を聞いておくと安心です。
2007年2月 文・写真:田口 結香(Japan Media Creations (NZ) Co., Ltd.)
学校の概要
Auckland English Academy
住所/Level 4, 242 Queen St., Auckland
電話:09-379-3777
ウェブサイト:www.english.co.nz