
NZ快楽旅行主義 vol.7
ベイ・オブ・アイランズでイルカと泳ごう
温暖な気候で知られるベイ・オブ・アイランズでは、
野生のイルカを観察するだけでなく、彼らと一緒に泳ぐことも可能だ
(Quarter 2003年夏号より)
Text / Photos by Chiharu Kitai

北島ノースランド地方のベイ・オブ・アイランズで有名なのが、イルカと共に泳ぐツアー。約90%の確率でイルカに出合えるため、年間を通して人気がある。ツアーボートは全長13メートルのカタマラン(双胴船)で揺れが少なく、またベイ・オブ・アイランズエリアは波が穏やかなため、船酔いを心配する必要はなさそうだ。
パイヒアの埠頭から出発し、10分後に対岸にある街、ラッセルでさらにツアー客が乗り込むと、ボートは沖へどんどん進んでいく。20分経ったころ、ボートが停泊し、この船のクルーであるアンドリューがツアーのスケジュールやイルカと泳ぐ時の注意をツアー客に話してくれる。その際には、世界中から訪れる観光客のために用意された、日本語を含む10カ国語で書かれた説明書も配られる。イルカと泳ぐ時の注意として、イルカに触らないこと、船から飛び込まないこと(イルカを驚せないようにするため)、海中に入る前に日焼け止めクリームを落とすことなどが挙げられた。また群れの中にイルカの赤ちゃんがいる場合は、DOC(環境保護局)の規則で禁止されているので、一緒に泳ぐことはできない。

ウルプカプカ島は考古学的に貴重なマオリの住居跡があることでも知られている
©Fullers Bay of Islands
一通りの説明が終わると、停泊していたボートを移動させながら、クルーが双眼鏡を使ってイルカを探す。普通に見ている分には穏やかな海面が広がるばかりだが、双眼鏡を使うので、はるか彼方に泳ぐイルカを見つけることができる。またほかのツアーボートと無線で連絡し、教え合うこともあるそうだ。探し始めて約30分後、イルカを発見。ボートが少しずつイルカのいる入り江に近付いていく。ボートの甲板に腹ばいになり、頭だけをへりから海側へ突き出すと、驚くほどそばまでイルカが近付いてくる。時には彼らの潮吹きでぬれてしまうこともあるらしい。ボートから5、6メートル離れたところでは、2匹のイルカが海面に尾ひれをたたきつけて水しぶきを上げ、まるで子どもが水遊びをしているように楽しんでいる姿が見えた。船底に取り付けられたマイクロホンを通して、イルカの鳴き声を聞くこともできる。

イルカを少しでも間近に見るために、みんな必死で泳ごうとする
さらにボートはイルカの群れが泳ぐ場所に移動。ここでお待ちかねの“スイミング・ウィズ・ドルフィン”にチャレンジだ。ボートにはウエットスーツ、スノーケルセットが用意されており、無料で貸し出しをしている。今日の水温は約20度、また風が冷たかったこともあり、ウエットスーツを着込んだが、ヨーロッパ系のツアー参加者たちは水着だけでどんどん海に入っていく。約15メートル先にイルカの頭が見えたため、クルーのアドバイスで、そちらにゆっくりと近付くが、あっという間にイルカは遠くに逃げてしまう。ほかの参加者も追い掛けるが、イルカの泳ぐ速さにはかなわない。思うようにイルカと一緒に泳ぐことができなかったので、ボートはイルカの数が多い場所に移動。再び海に入り、目を凝らすといきなり、下からイルカが現れ、目の前を優雅に泳いでいくではないか。あまりにも一瞬の出来事だったためぼうぜんとしていると、私をよそにイルカはさっさとどこかに泳ぎ去っていった。これでは“スイミング・ウィズ・ドルフィン”というよりも“ウォッチング・ドルフィン”だが、それでもイルカの愛らしい姿を間近で見られた感動が後からじわじわと込み上げてきて、感慨深かった。
パイヒアまでの帰路にはベイ・オブ・アイランズ湾内最大の島、ウルプカプカ島に寄り、熱いシャワーで海水を洗い流した後、島内のレストランでティーブレイク。心地よい疲れを感じながら、ベイ・オブ・アイランズのイルカとの出合いを思い出した。
Dolphin Adventures
ドルフィン・アドベンチャーズ
Fullers Bay of Islands
Ph:09-402-7422
関連トピックス
ベイ・オブ・アイランズ
イルカ