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ニュージーランドの旅行情報

国土の3分の1を占める自然美の世界 ニュージーランド14の国立公園

Egmont National Park
エグモント国立公園

北島西部、タラナキ(英名:エグモント)山を中心とした3万3,534ヘクタールに及ぶ土地は、1900年にこの国で2番目の国立公園に指定された。白い雪を頂き、ふもとへと左右対称に曲線を描くタラナキ山。標高2,518メートルと高さでは及ばないものの、富士山に似たその美しい姿は、日本を舞台にしたハリウッド映画『ラストサムライ』(2003年)のロケ地に選ばれる要因ともなった。
(Quarter 2004冬号より)

2つの名を持つ富士似の山

©Department of Conservation. Photographer: Ross Henderson

 1986年、公園中央にそびえる休火山は、異なる2つの正式名称を持った。マオリ名「タラナキ」と英語名「エグモント」。この背景には、先住民族マオリとヨーロッパ移民とが、衝突と交渉を繰り返しつつ、自然を守るために折り合ってきた歴史が垣間見える。

 初登頂を遂げた偉大なる祖先、ルア・タラナキの名にちなんだ「タラナキ・マウンガ」を、マオリの人々は聖なる場所としてあがめてきた。自然を擬人化する彼ら独特の口承文学によると、タラナキ山はトンガリロ国立公園内にある女性火山、ピハンガと恋に落ちる。その夫トンガリロ山は嫉妬に狂って、タラナキを海へ追放。タラナキが大地を削って移動した道筋が、前号で紹介したファンガヌイ川になったともいわれている。海へ落ちる前に標高1,400メートルのポアカイ山にぶつかり、かろうじて陸地に留まったタラナキは、恋しいピハンガを思って、今も涙を流し続けているそうだ。実際、この辺りは年間降水量8,000ミリメートルを記録する、北島で最も雨が多い場所となっている。

 一方、エグモントの名付け親は、ジェームズ・クック船長。1770年にこの海域を航海した際、英国のエグモント卿にちなんで命名したものだ。18世紀になると、ヨーロッパからの移民が押し寄せ、半世紀にわたってマオリの一族と激しい争いを繰り広げた。しかし結局、銃器を持たないマオリの人々は、英国に道を譲るほかなかった。

 両者の間に、自然保護という共通の目的意識が生まれてきたのは、19世紀も後半になってから。土地の切り売りによって神聖な地が原型を留めなくなる未来を危惧したマオリの人々は、1881年、山頂から半径6マイルのエリアを永久保護区とすることに同意。1900年には国立公園に制定された。それから86年後のこと、国土地理局は両者が主張する名をどちらも重要視し、政府に2つの名を正式名称とすることを申請、これが受理された。以降、これに続いて多くの土地がマオリ名と英語名を併せ持つようになったのである。

 過去500年の間に8回の噴火を繰り返しているこの火山。次の噴火は約100年後と予測されている。そのとき、この山が2つの名を維持する平和な世であることを祈るばかりだ。

Tongariro National Park
▼交通
ニュープリマスからノース・エグモント観光案内所まで南へ約30キロ。数社がシャトルバスを運行している。同案内所からタラナキ山頂までの北ルートは往復7〜8時間。ドーソン・フォールズからの上級者向き南ルートは往復8〜11時間。
▼問い合わせ
North Egmont Visitor Centre
Ph:06-756-0990
Dawson Falls Visitor Centre
Ph:027-443-0248

この記事は「Quarter 2004年冬号(Issue 17)」に掲載されたものです。記載されているデータ・情報は全て掲載時のものとなっております。予めご了承ください。

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