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ニュージーランドの旅行情報

ロトルア - マオリの街を歩く

1350年、ワカ(カヌー)に乗り、マオリ伝説の地ハワイキからベイ・オブ・プレンティのマケトゥへと渡って来たテ・アラワ族が定住した地、ロトルア。語り継がれる神話とともに今なおマオリ独自の文化が色濃く残るこの地で、私はマオリ・スピリットを探す旅に出た。
(Quarter 2003春号より)

Text by Yumiko Katagi

マオリ神話を求めて - タラウェラ山噴火の歴史を追う

1886年6月10日未明、タラウェラ山は大噴火を起こした/タラウェラ山(© Rotorua Museum of Art & History)

 私を案内してくれたガイドのクリスは、西洋人のような外見とその名前から、初めは気付かなかったが、実はマオリの血を引くまっすぐな眼差しが印象的な男だった。現在ニュージーランドには100%純血のマオリはいないといわれている。特にロトルア地域は、1870年代に国内最初の観光地として全盛期を迎えたことも影響してか、西洋人に近い容姿を持つ比較的肌の白いマオリの人々が多い。

 まず最初に向かったのは、地熱活動による生態系が今なお残るワイマング火山渓谷。ここは、煮えたぎるような湯煙が立ち上る世界最大の温泉湖、フライパン・レイクや、神秘的なミルキーブルーの水色を放つインフェルノ・クレーターなど、タラウェラ山の噴火によって形成されたダイナミックな自然の姿がそこかしこで見られる。高温の地底にたくましく根を生やす草花を見ながら緩やかなトレッキング・コースを約1時間半かけて歩くと、かつてヨーロッパ人の旅行者たちを魅了し「世界8番目の不思議」と称えられた棚田風のシリカ温泉、ピンク・テラスやホワイト・テラスがあった、ロトマハナ湖にたどり着いた。

噴火後、湖の大きさは約20倍に。破壊された美しいピンクテラスはその奥底で今も眠っている/ピンクテラス(© Alexander Turnbull Library PA-1-f-042-22 Mundy, Daniel Louis)

 1886年当時のロトマハナ湖は今の20分の1の大きさで、ピンク・テラスとホワイト・テラスそれぞれから、湖にお湯が流れ込むという美しい段々畑の姿を見せていた。この地に魅了されたヨーロッパ人たちを案内したのが、タラウェラ湖の谷間にたたずむ、現在の埋没村、テ・ワイロア村に住んでいたテ・アラワ族の子孫であるハプ(準部族)のトゥホウランギ部族。「マナアキタンガ(ホスピタリティ)」−−−数少ないマオリ語の中にこの言葉があるように、マオリの人たちの“もてなし上手”は昔から知られている。しかし、観光業がもたらす裕福さから次第に富に酔いしれ、お金に支配されるようになってしまったトゥホウランギ部族。そんな彼らに警告を促した人がいた。その人物こそ、「トゥホンガ(マオリの聖人)」の一人であるトゥホト・アリキ。噴火の10日前に湖でゴースト・カヌーが目撃されたとき、彼は今に不吉なことが起こると予言した。

テ・ワイロア村のトゥホト・アリキのファレ(家)をはじめ、半分以上が埋もれてしまった姿がいまだ残されている/テ・ワイロア村

 1886年6月10日未明の12時30分、タラウェラ山が噴火。テ・ワイロア村は泥と灰、岩に埋もれ、ピンク・テラスとホワイト・テラスも破壊されてしまった。約120名の死者を出す大災害−−−華やかな時代は一夜の悲劇であっけなく幕を閉じた。村の人々は、この噴火は予言したトゥホト・アリキのせいだとし、彼を泥の中に生き埋めにしてしまう。その後、ヨーロッパ人によって104時間後に救出されたものの、7月1日、あえなくこの世を去ったマオリの聖人。推定年齢は110歳といわれている。今からわずか117年前の話−−−このほかにも、タラウェラ山噴火についてはさまざま言い伝えがあり興味深い。>>次のページへ

Waimangu Volcanic Valley
住所:Waimangu Rd.
Ph:07-366-6137
Website:http://www.waimangu.com
営業時間:8:30〜15:45(1月〜16:45)●ロトマハナ湖クルーズ(所要時間約45分)は、10:25、11:25、13:10、14:00、14:50、15:40出発
定休日:なし
入場料:●ワイマング渓谷ウォーク/大人20ドル、子ども5ドル(ルート内利用可能なシャトルバスの料金も含む)●ロトマハナ湖クルーズ/大人25ドル、子ども5ドル

Buried Village(テ・ワイロア埋没村)
住所:Tarawera Rd., Rd 5
Ph:07-362-8287
Website:http://www.buriedvillage.co.nz
営業時間:8:30〜17:30(冬季 9:00〜16:30)
定休日:クリスマス
入場料:大人16ドル、子ども6ドル

この記事は「Quarter 2003年春号(Issue 14)」に掲載されたものです。記載されているデータ・情報は全て掲載時のものとなっております。予めご了承ください。

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