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知らなきゃ損、損!NZ税金講座 第3回
日本国外における相続税の納税
日本の税金のうち頭の痛いものの1つに相続税があります。ところがニュージーランドには、現在相続税は存在しません。このことはニュージーランドに移住、また永住している日本人にとって、どのようにかかわってくるのでしょうか?今回は相続税の日本国外での納税方法を解説しましょう。
(Quarter 2001年秋号より)
ニュージーランドの居住者は、この国の国税局にあたるIRD(Inland Revenue Department)からIRDナンバーを取得し、各種の税金を納めなければなりません。IRDナンバーとは、納税義務者の背番号のようなものです。一般に私たちの認識ではニュージーランドの居住者というと、労働ビザや永住権などの長期ビザを持っている人と考えがちです。しかしビザの種類には関係なく、年間183日以上滞在すると納税居住者とみなされ、税金を納めなければなりません。例えば学生ビザ保持者でも居住者と同じ19.5%〜39.0%の税金が課されますので注意してください。
まず初めに日本での相続税の納税についてご説明しましょう。日本では親族から相続するのは不動産というケースが多く見受けられます。現金を相続した場合はその現金の中から税金を納めればよいのですが、不動産の相続となると期日(被相続人が死亡した日の翌日から10カ月)以内にその不動産の評価額に税率を掛けた金額を、現金で支払わなければなりません。ちなみに日本の相続税の税率は10%から最高70%です。
ところでニュージーランドの相続税はというと、以前は存在したのですが現在はありません。つまり、この国では親族から相続する遺産には一切税金は掛からないという、我々から見たら何ともうらやましい限りの状況が存在します。
それではニュージーランドの税法がこの国の永住権を持った日本人に適用できるのでしょうか。確かにニュージーランドの税法では、この国に住んでいる日本人(永住権保持者)が、親族から遺産を相続しても相続税は掛かりません。しかし相続を受ける時に相続人、つまり納税義務者がニュージーランドに居れば税金を支払わずに済む、とは一概には言えず、日本国税局では「相続人が外国に居住している場合」を設定しています。
〈納税義務者が日本で住民登録しているままの場合〉
受け取った財産のすべてが相続税の対象となる。つまり日本国内に居るのとなんんら変わりはない。
〈納税義務者が日本の住民票を抜いて、海外の住所を住民課に届けている場合〉
日本国内にある財産だけが相続税の対象になる。つまり、ニュージーランドにある財産には相続税は掛からないため、その分の相続税は回避することができる。
しかし、相続を受ける納税義務者が日本国籍を有しており、かつ被相続人の死亡した日より前にさかのぼって5年以内に日本国内に住所を有したことがある場合には、外国にある財産、つまりニュージーランド国内の財産にも相続税が課せられる。
以上のことを考慮すると、日本人がニュージーランドにおいて、日本の相続税を逃れることはかなり難しいことと思われます。
それでは日本人の納税義務者が、ニュージーランドの永住権からニュージーランド国籍に変えた場合はどうなるでしょうか。例えば、一家そろって永住権を取得後、日本の財産を全部処分して、ニュージーランドに移住し、何年か後にこの国で相続をするとします。日本の国税局ではこのような場合、日本人納税義務者が、どのような経緯でニュージーランドに移住し、国籍を変えたのか、また何年くらいこの国に居住しているか、また脱税を目的とした外国籍の取得ではないのかといったもろもろの状況を調査します。そして最終的には日本の国税局の「見解」が決定となります。
矢野善之(やのよしゆき)
日系海外ホテルで、ファイナンシャルコントローラーとして会計業務に携わった経験を生かし、ニュージーランドにビズワールド社を設立。ビジネス・コンサルティング、留学、ガイド派遣業務を行っている。
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