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知らなきゃ損、損!NZ税金講座 第1回
知って得する税金に関する基礎知識
皆さんはニュージーランドにさまざまな目的で滞在していると思います。海外に住むということは、たとえその国の国民でなくても私たちはその国の法律に従わなければなりません。税金システムもその1つ。ここではニュージーランドで必要な税金の基礎知識をご紹介します。
(Quarter 2000年春号より)
ニュージーランドの居住者は、この国の国税局にあたるIRD(Inland Revenue Department)からIRDナンバーを取得し、各種の税金を納めなければなりません。IRDナンバーとは、納税義務者の背番号のようなものです。一般に私たちの認識ではニュージーランドの居住者というと、労働ビザや永住権などの長期ビザを持っている人と考えがちです。しかしビザの種類には関係なく、年間183日以上滞在すると納税居住者とみなされ、税金を納めなければなりません。例えば学生ビザ保持者でも居住者と同じ19.5%〜39.0%の税金が課されますので注意してください。
非居住者で投資をしているような人は別として、学生、ワーキングホリデー、永住者など長期滞在者は、この国に入国したら、まず初めにIRDナンバーを取得することをお勧めします。最初に申告用紙であるIR595というフォームを入手し、必要事項を記入の上、身分証明書(パスポート、国際運転免許証など)のコピーを添付し、IRD事務所に郵送すると、約2週間ほどでIRDナンバーが送られてきます。
フォームはIRDのフリーダイヤル(INFO Express 0800 257 773)で取り寄せるか、または会計士などから入手します。
ナンバーを取得したら、まず自分の口座のある銀行に知らせてください。またニュージーランドで働くには、フルタイム、パートタイムに関わらずIRDナンバーが必要で、そのナンバーを必ず雇用主に通知しなくてはなりません。その時、雇用主からIR330という所得税率を決めるフォームを渡されますので、該当するものを選びます。このフォームは雇用主が用意しますので、記入方法などの詳細は雇用主に確認してください。
ニュージーランドの会計年度締めは日本と同じ3月31日です。以前は居住者すべてが毎年6月7日までに所得税申告をしなければならなかったのですが、昨年度からの税法改正で4月1日から3月31日までの年間所得が6万1ドル以上の人のみ、別途申告することになりました。年収6万ドル以下の人の場合は、雇用主が月々の個人の給与からPAYE(別欄参照)をIRDに納めているため、自動的にこの記録が個人の所得税申告として使用されることになります。従って、年収6万ドル以下の人は別途申告する必要がありません。
ただしワーキングホリデーの人は、1年未満で帰国するので年度期間に関係なく個人での申告が可能です(還付金の可能性があります)。その場合は帰国の2週間前までにINFO Expressに連絡して、Early Income Tax Return(IR50)のフォームで申告をします。税金の還付がある場合、小切手またはニュージーランド国内の銀行振込という形で還付されます。ただ、この受け取りには注意が必要で、小切手をもらって日本の口座に入金すると、手数料の方が高くつく場合があります。それを考えるとニュージーランド国内での銀行振込の方がいいのですが、これも今までの前例をみると、自分が帰国する日までにIRDから振込があるかどうかは保証されないのが現状です。申告をする際に、INFO ExpressなどでIRDの係官にその旨をよく伝えて、確認することをお勧めします。
PAYE (Pay As You Earn)
源泉徴収税のこと。ニュージーランドの組織に就職して給料をもらうと、このPAYEが引かれる。税率は2000年4月1日より、所得が年間$38,000までは19.5%、$38,001から$60,000までが33.0%、そして$60,001以上は39.0%となっている。この計算およびIRDへの納入は各組織が行うので、給与所得者は自ら申告する必要はない(ただし年収6万1ドル以上の人は別途申告する必要がある)。
ニュージーランドの企業形態には、個人企業(Sole Trader)、パートナー会社(Partnership)、そして株式会社(Company)の3種類があり、それぞれ税務申告の仕方が異なります。
個人企業(Sole Trader)
自分1人でビジネスを始めるのに最も適した企業形態です。特に会社組織としての設立は必要ありませんが、IRDに登録しなければなりません。必要ならばトレードネーム(店名など)をつけることができますが、カンパニー、リミテッドなどをトレードネームにつけることはできません。また負債などの責任はすべて個人で負うことになります。IRDナンバーは、企業を興す本人自身のIRDナンバーと同じものを使い、年度末の税務申告はIR3のフォームを使用します。
パートナー会社(Partnership)
2人以上でビジネスを組織した形態がこれに当たり、個人企業同様、負債などの責任はパートナー全員で分担します。IRDナンバーは個人とは別に取得し、個人企業と同様、必要ならばトレードネームをつけて企業活動を行い、税務申告はIR7というフォームを使用します。一般には弁護士事務所、公認会計士事務所などがよくこの形態を取っています。
株式会社(Company)
株式会社は「法人」、すなわち「法のもとにおける人」扱いとなるので、設立する本人とは別の人格を持った「人」として扱われます。ですからIRDナンバーは、ニュージーランドの居住者として、当然別途に取得する必要があります。会社の設立は先に述べた2種類の企業形態に比べ、さまざまな法的な制約がある反面、万一負債を抱えて倒産するような場合でもその責任が個人にまで及ばないなどのメリットもあるので、一般的にこの形態が好まれています。会社の税務申告はIR4というフォームを使用します。
どこの国でも企業はその形態に関わらず、その国の会計法、税法に基づく会計処理と税務申告をすることになります。ですから、今まで述べたどの企業形態をとっても、税務申告をするために経理処理は必ず行わなければなりません。企業活動で関わってくる税金には、法人税のほかにGST(消費税)、PAYE(源泉徴収税)などがあります。税務申告で間違いがでるとペナルティーを課せられたり、場合によっては脱税などの刑事訴訟にまで発展する時もありますので注意してください。
矢野善之(やのよしゆき)
日系海外ホテルで、ファイナンシャルコントローラーとして会計業務に携わった経験を生かし、ニュージーランドにビズワールド社を設立。ビジネス・コンサルティング、留学、ガイド派遣業務を行っている。
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