
CHEERS CHEESE!
おいしいチーズはニュージーランドにあり
(Quarter 2001春号より)
Text by Mari Clothier

ホワイトストーン・チーズは化学物質などを一切使用しない、オーガニックが特徴のチーズを作っている。2000年度を含め過去4回もブルーチーズ部門で金メダルや、“Cheese Lovers Trophy”賞などを勝ち取ったウィンザー・ブルーは牛乳の深みのある味わいとクリーミーな舌触りで、くせがあると思われがちなブルーチーズの印象を覆す。赤ワインのお供に、オーツ・ビスケットや焼きたてのパンに乗せて楽しみたい。

祖国オランダの伝統的な手法を用いてオーガニック・チーズを作ることで定評のあるカリカアス・チーズ。2000年度の熟成ゴーダチーズ部門で金メダルを獲得したゴーダ・ヴィンテージは牛乳を原料とし、最初は酸味があるが、かみしめる度に奥の深い味わいが楽しめる。特に手を加えずにそのまま赤ワインと共に楽しむのがお勧め。

マーサー・チーズは約20年間、熟成チーズを専門に作り続けている。ここのチーズはオークランドから南に車で約40分の、ワイカト川からすぐのショップでしか買うことができない。牛乳で作られたマイルド・ゴーダチーズは2000年度のゴーダチーズ部門で銀メダルを受賞した。味は淡泊な印象だが、コクがありいくらでも入ってしまう。

カピティ・チーズはこの国を代表するチーズ・メーカーの1つで、マオリ語名の付いたチーズは特に有名。ボッコンチーニは2000年度のモッツァレラチーズ部門で金メダルに輝いた。この牛乳ベースのボール状のチーズはトマトやバジルと共に、ハーブ入りのオリーブオイルをかけてアントレやサラダにすると良い。

アンカーといえば、特に北島で有名な乳製品メーカー。比較的安価で手に入るチーズが多く、2000年度の熟成チェダーチーズ(7〜12カ月)部門で金メダルを取ったアンカー・テイスティーもその1つ。ピクルス、チャツネやフルーツに合い、ピザやナチョスにトッピングしてもおいしい。赤ワインとの相性も良い。

マイヤー・ゴーダチーズは自分の農場からの牛乳だけを使用し、通算24年ゴーダチーズを作り続けている。マイルドチーズ・ウィズ・クミンは2000年度を含め、何度もフレーバーチーズのゴーダチーズ部門での金メダルや“Best Flavoured Cheese”賞を受賞。スパイス貿易の覇者、オランダの伝統が生かされ、まろやかな全乳チーズとアクセントの効いたクミンの組み合わせが絶妙だ。

ヤギの乳のチーズから始め、今では約30種類のチーズを作っているプホイバレー・チーズ。牛乳でできたプホイ・カマンベールは2000年度のカマンベールチーズ部門で金メダルと“New Zealand's Favourite”賞の両方を獲得したグリーンアイル・カマンベールが名前を替えたものだ。ソフトな白カビに覆われた歯触りの良い表面ととろりとした中心部が魅力。
ニュージーランドには、ほ乳類といえば、コウモリしかいなかったことから、この国のチーズの歴史は18世紀の後半、初めての英国人移民が牛を家畜として持ち込んだことに始まる。今でもこの国の代表的なチーズとして挙げられるチェダーチーズは、1840年代後半から英国、北米、中近東、ロシア、日本へ輸出されるようになり、外貨獲得のための重要な製品として認められるようになった。
その後1970年ごろにはチーズ工場の設備は世界でも指折りの水準にまで到達。それに反してチーズの個性がなくなってきていることが指摘されていた。それでも1980年代には解決への道を歩み始める。1985年のカピティ・チーズの創設は、ヨーロッパのまねをするのではなく、ニュージーランド独自のチーズ作りへと向かう原動力となる。と同時にこの時期、オランダから熟練チーズ職人が移住し、その伝統的手法とこの国の感覚をミックスさせたチーズ作りに取り組み、ニュージーランドのチーズ産業界に新風を吹き込んだ。
そして現在、ニュージーランドは約14のチーズ工場と約19の個人チーズ・メーカーが400種類近いチーズを生産する、チーズ大国に成長している。
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