
秋の夜長に似合う琥珀色の液体
“Middle Earth”ニュージーランドが生み出す究極のシングルモルト
日ごとに夜が長くなるこれからの季節。お気に入りの一冊を片手に、ナイトキャップを一杯――そんな自分のための大切な時間にしっくり合うのが、丹精込めて作られたシングルモルト・ウイスキー。ここニュージーランドにも、屈指の名水で造られた究極の1本があることをご存じだろうか。
(Quarter 2002冬号より)

大麦麦芽(モルト)だけで作られるモルトウイスキーの中でも、同一蒸留所のもののみを使ったウイスキー、それがシングルモルト・ウイスキーだ。最高のウイスキー作りに生涯を捧げるクラフツマンたちの誇りと愛情が一心に注ぎ込まれた、個性豊かな作品たち。国際的知名度からいうと、年々人気の高まるワインやビールと比べていまだ存在感の薄いニュージーランド・ウイスキーだが、おいしい空気と純粋な雪溶け水から作り出される、知る人ぞ知る名酒がこの国には存在する。唯一の国産シングルモルト、「ミルフォード」がそれだ。
名酒あるところに名水あり――南島南部の歴史ある街、ダニーデンの西に広がるラマーロウ山脈。映画『ロード・オブ・ザ・リング』の舞台にもなったこのサザンアルプスから流れ落ちる雪溶け水が、究極のウイスキーを生み出す命となっている。同地域で生産され、モルトウイスキーの母国、スコットランドにも輸出されているという最高品質の大麦のみを使用し、伝統の製法をかたくなに貫く作り手たちによって製麦(malting)→糖化(mashing)→発酵(fermentation)という一連の作業が行われていく。シングルモルト特有の深みある香り、通称“スモーキーフレーバー”が加わるのは、製麦の段階で焚きしめるピート(草炭)の煙によるものだ。

その後、ポットスチル(単式蒸留機)によってじっくりと蒸留された液体は、すぐさまオーク(なら)材の樽に詰められ、貯蔵庫へ。選び抜かれた樽の中で、原酒は最低10年もの間、ゆっくりと呼吸を続ける。この間に余計なものはすべてそぎ落とされ、樽から溶け出した成分と微妙な化学反応を起こしながら、徐々にかぐわしい香りとコクを持つ芳醇な液体へと変化を遂げていくのだ。ゆっくりと口に含んだ瞬間に、フレッシュで洗練された麦の芳香が広がり、コクのある重厚な余韻が後々まで続く。
きめこまやかでキレのある天然水と、世界有数の品質を誇る大麦でできたシングルモルト。最初の一杯はぜひ、ストレートで。ニュージーランドの大いなる自然が生み出した芸術作品を堪能したい。
Uisge-beatha ウシュク・ベーハー
「生命の水」を意味するゲール語。これが変化して「ウイスキー」という言葉が生まれた。
Top Note トップ・ノート
試飲の際に、グラスに注いだウイスキーから最初に立ち上ってくる香りのこと。ちなみに「ノージング」とは鼻でその香りを利き分けることの意。
Vatting ヴァッティング
それぞれの樽によって異なった個性を持つモルトウイスキーを、一つの大桶(ヴァット)に入れて混ぜ合わせること。
Finger フィンガー
グラスに注がれたウイスキーの分量を表わす単位。指1本分の太さがシングル、2本分がダブルの量に相当するため、それぞれ「ワンフィンガー」「ツーフィンガー」と呼ぶ。
Chaser チェイサー
高度数の酒をストレートで飲んだ後に追いかけて(チェイス)飲む清涼飲料水のこと。水が一般的だが、中にはソーダやビールを好む人もいる。
ミルフォード・ウイスキーの取り扱い店
Aotea Souvenirs (オークランド/ロトルア/クライストチャーチ/クィーンズタウン) OK Gift Shop (オークランド/クライストチャーチ)
Regency Duty Free (オークランド・ダウンタウン店のみ) DF Souvenirs (クライストチャーチ/クィーンズタウン)
Accent on New Zealand (クィーンズタウン) Roselands (ワイトモ)
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ウイスキー