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読んでから出掛ける? 出掛けてから読む?
映画で旅するニュージーランド
ニュージーランドの風光明媚な景色は旅行者だけを迎え入れるのではなく、
映像のマジシャンたちをも魅了してやまない。
なぜならこの国では誰もが映画のヒーロー、ヒロインになれるから
(Quarter 2002秋号より)
Text by Miho Aoki
1896年10月13日、ニュージーランドで初めて、映画が一般公開されたのがオークランド。上映されたのは、アメリカの発明家、エジソンによって制作されたショート・フィルムで、場所はオークランドの中心部、ウェレズリー・ストリートのオペラハウスでのことだった(現在、そこにはデパート、スミス&コーイーズが建っている)。以来100年以上たった現在、この街では、国内外の多くの映画のロケが行われている。

©New Zealand Film Commission
制作年/1979 監督/John Reid 出演/Grant Tilly、Dorothy McKegg
1970年代の白人中流社会における、家族や夫婦の関係をコメディータッチで描いた作品。主人公のコリンが高校の校長に昇格したため、妻のエリザベスが2人の共通の友人を招き、パーティーを開くが……。ロケにはアボンデールにある、アボンデール・カレッジが使用された。

©ゥNew Zealand Film Commission
制作年/1983 監督/Bruce Morrison 出演/Donogh Rees、Hester Joyce ※日本のビデオタイトル『コンスタンス/魅せられて』
第二次世界大戦直後のオークランドで、女優になることを夢見る若く、美しいコンスタンス。しかし厳しい現実が、夢を実現できない彼女を空想の世界へ追いやってしまう。主人公の家をミッション・ベイに設定しているほか、オークランド戦争記念博物館やランギトト島も画面に登場。また主人公の嫁ぎ先はテムズでロケされている。

©New Zealand Film Commission
制作年/1997 監督/Harry Sinclair 出演/Danielle Cormack、Willa O'neill、Ian Hughes
オークランドの若者たちをリアルに描いたこの作品では、クィーン・ストリート、Kロード、キー・ストリートなどダウンタウンを中心にロケが行われた。1997年ニュージーランド・フィルム&テレビジョン・アワーズ8部門受賞。
※監督、ハリー・シンクレアについてはP12、13のインタビューを参照。

©New Zealand Film Commission
制作年/1990 監督/Jane Campion 出演/Kerry Fox、Alexia Keogh、Karen Fergusson
ニュージーランドを代表する女流監督、ジェーン・カンピオン(P.6)が、この国の著名女流作家であるジャネット・フレームの自伝を映画化したもの。鋭く研ぎ澄まされた感受性を持つ1人の女性の成長を、美しい風景と共に描いた秀作として、国内外で多くの映画賞を受賞した。国内ではオークランドを中心に、ヘレンズビルやクック海峡など、また海外ではパリやロンドンなどでも撮影が行われた。

©New Zealand Film Commission
制作年/1984 監督/David Blyth 出演/Michael Hurst、Margaret Umbers
“狂気の科学者”ドクター・ハウエルと、彼に操られて自分の両親を殺してしまったマイケルによる血みどろの戦いを描いたホラームービー。映画に登場する頭蓋骨病院のロケ地にはワイへキ島が選ばれた。日本で公開当時、“ニュージーランド産スプラッタームービー”として話題を呼んだ。1984年パリ・ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。

©New Zealand Film Commission
制作年/1990 監督/Gaylene Preston 出演/Yvonne Lawley、Vanessa Rare
パケハ(広義で「白人」)の老女、ルビーと、マオリのシングルマザー、ラタとその息子、ウィリーを中心に描かれた人間ドラマ。住宅街、マウント・アルバートでロケが行われ、作品中にはさまざまな人種の人々が登場。オークランドが多くの移民たちを受け入れている都市であることを、作品から垣間見ることができる。

©New Zealand Film Commission
制作年/1991 監督/Ian Mune 出演/Stephen Fulford、Stephen Papps
1930年代の典型的なニュージーランドの一少年を描いたファンタジー映画。12歳の主人公ジェフは自分で創り出した架空のオリンピック陸上選手、フィーポと友達になるが、ジェフが大人になるにつれ、彼の中で空想と現実の世界が衝突し始める。オークランド、ノースショアのタカプナ・ビーチおよびタカプナ・グラマー・スクールでロケが行われた。

©New Zealand Film Commission
制作年/1994 監督/Lee Tamahori 出演/Temuera Morrison、Rena Owen、Cliff Curtis
この国の先住民、マオリのタブー視されがちな面を描いた衝撃の作品。父親の失業、子供の不良化、家庭内暴力、性的虐待など、映画で取り上げられることのなかった、貧困者の多いエリアに住むマオリの現状を、過激で、リアリティー溢れるカメラショットで描き、国内外に大きな衝撃をもたらした。ロケ地は現在も多くのマオリが住む南オークランド。自らもマオリの血を引く監督、リー・タマホリはこの作品により頭角を現し、現在ハリウッドで活躍中だ。
制作年/1992 監督/Jane Campion 出演/Holly Hunter、Sam Neil、Anna Paquin
19世紀半ばにスコットランドから、ニュージーランドに住む見知らぬ男性に嫁いだ、言葉の不自由な女性を中心に描かれるラブストーリー。開拓時代のパケハとマオリの関係もストーリーの端々から読み取ることができる。ロケは西オークランドのワイタケレを中心に行われ、特に砂浜にピアノを置くシーンが撮影されたカレカレ・ビーチは、今でも多くの観光客が訪れるほど有名だ。1993年アカデミー賞で7部門にノミネート、そのうち主演女優賞、助演女優賞、脚本賞を獲得。特に助演女優賞を獲得したニュージーランド人女優、アンナ・パキンは当時11歳と、アカデミー史上2番目に若いオスカー女優となり、話題を呼んだ。
あの名作のロケ地はオークランドだった
戦場のメリークリスマス(原題 Merry Christmas Mr. Lawrence)
制作年/1983 監督/大島渚 出演/David Bowie、坂本龍一、ビートたけし
日英豪華キャスト、坂本龍一のテーマソング、男性同士のセクシャルな関係などで、一世を風靡した『戦メリ』。ジャワの捕虜収容所を舞台としたこの作品は、オークランドおよびクック諸島のラロトンガで撮影された。この映画の制作費は、ニュージーランド、英国、そして日本の3カ国で出資した。
ニュージーランド人が描く“日本人の愛のかたち”
Memory and Desire
制作年/1997 監督/Niki Caro 出演/Brenda Kendall、Yuri Kinugawa
日本人カップルを主役とした、異色のニュージーランド映画がこれ。約25年前にスチュアート島の洞くつに住んでいた日本人女性が発見されたことにヒントを得て、オークランド在住の作家が書き上げた小説を、映画化した。オークランドを中心にロケが行われたため、国内で在住日本人のエキストラが募集されたこともあった。
※映画タイトルについては、日本で劇場公開されているものは邦題で、それ以外は原題で表示しています
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