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ニュージーランドの至宝―美術館&博物館
Treasure Houses in New Zealand

館内には“City Cinema”という映画館もあり、さまざまな映像芸術にも触れることができる
Exterior of City Gallery Wellington,
Civic Square, Wellington
Photo by Grant Sheehan
文化施設が多く集まるシビック・スクエアにある、1930年代に建てられたランドマーク的存在の建物がウェリントンを代表するこの美術館。以前は公立図書館として使われていたが、1993年に内部が改装され、現在に至っている。
国内では珍しくないことだが、ここには常設展が存在しない。日本人の感覚からいうと少し変わった美術館と言えるかも知れない。しかし、海外、国内の重要な特別展、巡回展が一度に数展開かれていることも多く、訪れるたびに違うアートを鑑賞することができる。アート全般、建築、デザインなど行われる展覧会のジャンルは幅広く、充実していることでは定評がある。規模の大きな特別展では、その展覧会にまつわるフィルム上映、レクチャー、パフォーマンス、コンサートなどのイベントも行われ、アートに親しみを持ってもらうための配慮も欠かさない。
“Main Gallery”のほか、“360/Michael Hirschfeld Gallery”では特に地元ウェリントンを拠点として活躍するアーティストの作品を月替わりで紹介している。ここでも絵画、写真、ビデオからファッションまで多彩な展覧会が行われ、観光で訪れるビジター、地元の人を問わず愛されている。
住所:Civic Square, Wellington
Ph:04-801-3952(インフォライン)、04-801-3021
開館時間:10:00〜17:00
定休日:クリスマス
ガイドツアー:週末のみ(ただし、規模の大きい展覧会の場合は毎日14:00から。所要約30〜40分。無料)
入場料:無料(ただし海外からの巡回展は別料金)
Website:www.city-gallery.org.nz

ボタニック・ガーデンズに面し、美しい自然あふれる環境にある。トラム乗り場にも近い
この美術館はAulsebrooks and Co.の社長R・マクドゥーガルがコレクションを市に寄贈したことから始まる。1932年のオープン当時のわずか160点ほどの絵画、彫刻などは、その後さまざまなジャンルの約4,000点のコレクションに膨れ上がった。
主にニュージーランド・アートを鑑賞できるが、そんな中でも特筆すべきはペトラス・ヴァン・デル・ヴェルデン(1837-1912)のコレクションが世界一である点。“Dutch Funeral (1872)”をはじめ彼の作品がニュージーランド・アートに与えた影響は大きい。荒々しく、ドラマチックな黒と白のコントラストはC・マッカン(P.10)の先駆けとなった。
別館である“McDougall Contemporary Art Annex”では、国内外のコンテンポラリー・アートを紹介している。
収納庫、展示スペース不足を補うため、Mont-real St.とWorcester Blvd.の角に2003年3月完成を目標に“Christchurch Art Gallery”が着工した。これが完成すると、常設展のスペースだけで1,950平方メートルに拡大され、常に650点の作品を鑑賞できるようになるほか、彫刻の並ぶ中庭、多目的エリアなども設けられる。
住所:Rolleston Ave., Christchurch
Ph:03-366-5000
開館時間:夏10:00〜17:30(冬〜16:30)
定休日:クリスマス
ガイドツアー:毎日11:00、12:00、14:00、15:00から(所要約30〜45分。無料)
入場料:無料(ただし特別展は別料金)
Website:www.mcdougall.org.nz

父親が創立者だった縁もあり、F・ホジキンスの作品も大切なコレクションの一角を担っている
©Dunedin Public Art Gallery
P.10で紹介する女流画家F・ホジキンスの父でやはりアーティストだったW・M・ホジキンスによって創設されたこの美術館は、1884年にオープン。国内で最も古い美術館とされている。
当時のコレクションは小規模だったが、その後拡大の一途をたどり、1996年には市民の憩いの場、オクタゴンに建設された新しい建物に再オープンする。この4階立てのモダンな造りの建物は国内外を問わず評判が良く、日の光がいっぱいに差し込むロビーから、小さいが居心地の良い展示室までさまざまな顔を持つ。一般のアートはもちろんのこと、装飾芸術、デザイン、ファッション、映像の展覧会やプログラムが、この美術館の得意とするところ。国内のコレクションとしては1860年から現在に至るまでの著名作品、またヨーロッパ・アートでは、特にターナー、ゲインズバラ、モネ、バーン・ジョーンズなどの作品と、バラエティーに富んだコレクションが鑑賞できるほか、日本の浮世絵も所蔵している。もちろん、創設者の娘、F・ホジキンスの作品も見逃せない。
また、映像ライブラリー“Vaccessremote”では、ニュージーランドのフィルムなどの検索が可能な上、実際にそれらを見ることもできる。
住所:30 The Octagon, Dunedin
Ph:03-474-3240
開館時間:10:00〜17:00
定休日:グッド・フライデー、クリスマス
ガイドツアー:予約でのみ受け付け(所要時間は希望による。無料。予約は03-474-3240にて)
入場料:無料
Website:www.cityofdunedin.com/city/?page=sites_dpag

第一次大戦終了後、同市を訪問した日本練習艦隊の軍楽隊が呼びかけた募金が建築費の一部となった
©Auckland Museum
1852年に小さなコテージから始まったこの博物館は何回かの移転後、1929年ワイテマタ湾を望むドメインに、外観は古代ギリシャ・ローマ建築風、内装はマオリの装飾モチーフを多用した建物で公式オープンした。
両世界大戦で命を落とした兵士の慰霊ホールが最上階に、無名戦士の墓が正面玄関前にある。ニュージーランド人が参加した戦争、平和維持など戦争に関する展示が充実している。
“He Taonga Maori(Maori Treasures)”には、集会所“Horonui”や戦闘用カヌー“Te Toki Tapiri”といったマオリが生活に利用したものから芸術作品までが展示され、“Te Ao Tu Roa”ではマオリの世界観を通した自然史についてが語られている。毎日3回“Manaia”によるマオリ・パフォーマンスも行われている。
また、“Pacific Masterpieces”と“Pacific Lifeways”は南太平洋諸国の文化や生活について、“Origins”、“Land”、“Oceans”、“Human Impacts”はこの国独特の自然史についての展示。“City”、“Wild Child”、“Auckland 1866”などでは、オークランドの歴史をつぶさに見学できる。
住所:The Domain, Auckland
Ph:09-306-7067(インフォライン)、09-309-0443
開館時間:10:00〜17:00
定休日:アンザック・デーの午前中、クリスマス
ガイドツアー:予約でのみ受け付け(グループのみ。所要時間はグループの希望による。料金$5。予約は09-306-7048にて)
マオリ・ショー:毎日11:00、12:00、13:30から(所要約20分。料金$10。予約は09-306-7048にて。当日チケットカウンターで見学を申し出ることもできる)
入場料:寄付金として$5(ただし特別展、マオリ・ショーは別料金で、これらを見学の場合は寄付金の必要はない)
※両世界大戦慰霊ホールへの入場のみの場合、寄付金は必要なし
Website:www.akmuseum.org.nz

レクチャーなども充実しており、特に“Discovery World”での子供向けプログラムは人気が高い
©Otago Museum
1868年に産声を上げたこの博物館は国内でも最も古い博物館のうちの1つ。国際的にも、オタゴ地方にとっても重要な役割を果たしている。過去125年間に何回もの改修工事を経て来たこの博物館は、昨年の12月に完了した工事により、展示スペースが以前より7割以上も増えた。
自然、文化、科学の3つに重きを置き、170万点以上の収蔵物を数えるが、特に人気があるのは3つの展示室だ。“Tangata Whenua Gallery”は南島に住むマオリに関する展示、“Na- ture Galleries”はモア、キガシラペンギンなどのこの国独特の鳥類、そして昆虫に関する展示、そして“Animal Attic”はビクトリア女王時代さながらに昔の方式で自然史の標本を展示しているユニークなエリアとなっている。
そのほかにも世界中から集められた遺物、陶器やガラス器などの装飾芸術も見学できる。
地元オタゴ地方にスポットを当て、その自然や文化を紹介する“Southern Land, Southern People”は今年末に完成予定。世界中からやって来るビジターにニュージーランド南部の素晴らしさを語るとともに、オタゴの遺産を集めた地元の人たちのための博物館としての役割も果たすことが期待されている。
住所:419 Great King St., Dunedin
Ph:03-474-7477(インフォライン)、03-474-7474
開館時間:10:00〜17:00
定休日:グッド・フライデー、クリスマス
ガイドツアー:予約でのみ受け付け(所要約30分もしくは1時間。料金1ギャラリーのみ$7、博物館のハイライト$9。予約は03-474-7474内線828にて)
入場料:無料(寄付金$5が奨励されている。ただし特別展、“Discovery Centre”は別料金)
Website:www.otagomuseum.govt.nz

建て増しを重ねているこの建物が1870年に建設される前にはこの地方の行政府の建物に間借りしていた
Photograph compliments of Canterbury Museum
1868年にまず、J・V・ハースト(P.5)が館長に任命され、その2年後に現在の白色の疑灰岩の縁飾りを持つグレーの玄武岩造りの建物が建てられ、公式オープンを迎えた。その後何回かの建て増しが行われ、玄関にある葉陰からこちらをのぞいている動物のモチーフが彫られた柱の上部にはオアマル産の石材が用いられ、それがユニークな特徴となっている。
ハースト自身が復元したモアの骨格標本や、採集した植物、鳥類、岩石、鉱物がこの博物館のコレクションの基礎を築いた。彼は当時、この国より進んでいたヨーロッパの美術館、博物館に造詣が深かったため、この博物館の完成度は高かった。“Nga Taonga Tukuiho O Nga Tupuna(Treasures handed down by our ancestors)”ではマオリの展示物が見学でき、“The Christchurch Street”ではビクトリア女王時代の街並みが再現されている。
そのほかにも南極探検についてが語られる“Hall of Antarctic Discovery”、アジアの装飾芸術が鑑賞できる“Hall of Asian Decorative Arts”、ニュージーランド原生の鳥類について学ぶことができる“Edgar Stead Hall of New Zealand Birds”などに人気がある。
住所:Rolleston Ave., Christchurch
Ph:03-366-5000
開館時間:夏9:00〜17:30(冬〜17:00)
定休日:クリスマス
ガイドツアー:毎日10:00〜12:00、13:00〜15:00にロビーにて(所要約30分〜1時間。無料)
入場料:無料(ただし特別展、“Discovery Centre”は別料金)
Website:なし
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