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ニュージーランドの至宝―美術館&博物館
Treasure Houses in New Zealand

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海外、ニュージーランドのコレクションとも国内で最も充実
Auckland Art Gallery - Toi o Tamaki

風景画家、肖像画家として活躍したR・アンガス(1908-1970)の作品は、所蔵している数多い名作の1つ
Rita Angus (1908-1970) New Zealand
Portrait of Betty Curnow 1942
oil on canvas
775 x 647 mm
Auckland City Art Gallery collection

 ニュージーランドで最も規模が大きな美術館がここ。1888年に無料公立図書館の一部として、まず現在の“Main Gallery”がオープン。G・グレイ卿(1845〜1853年のニュージーランド総督)のコレクションが寄贈され、ビクトリア朝様式の建物で美術館としてのスタートを切った。その直後、J・T・マッケルビー(1824〜1885)による遺産が加わり、オークランド市のアート・コレクションの基礎が築かれた。建物は4度の改修工事を経て、現在はフレンチ・ルネサンス・リバイバル様式となり、美しい貴婦人のような白亜の姿を見せている。

 一方、“Main Gallery”とキッチナー・ストリートを挟んで向かい側にある、以前電話交換局として利用されていた建物は現在“New Gallery”として、新しい形式のアートや新しいアイデア、新メディア、アートに対する新しいアプローチを探ろうとする展覧会、インスタレーションなどのためにスペースを提供している。特にニュージーランド、太平洋諸国に焦点を当てたコンテンポラリー・アートのコレクションは秀逸で、ニュージーランドが産んだ20世紀で最も偉大なアーティスト、C・マッカン(P.10)による作品群のためのエリアがある。

 コレクションの中でも特に充実度が高いのは、17世紀のイタリア絵画や18世紀の英国絵画。ブリューゲル弟、ゲインズバラ、ターナーなどの作品を、国際的な彫刻のコレクションとしてはロダン、ドガ、マイヨール、ムーアなどの作品を、コンテンポラリーのものとしては、J・ダインなどの作品を所蔵している。

“Pavilioned in Splendour”では、16世紀後半から20世紀前半のヨーロッパ絵画が鑑賞できる

 19世紀のニュージーランドの作品のコレクションでは、マオリ人の肖像画などを多く手掛けたことで有名なC・ゴールディ、G・リンダウアーなどの作品が鑑賞できる。

 過去に行われた大きな巡回展としては、モネ、ルドン、ピカソ、レンブラント、ルノアールなどがあり、巨匠の作品を鑑賞できるチャンスも多い。こうした展覧会では、それぞれのテーマに沿ったフロア・トーク、レクチャー、パフォーマンスなどが行われ、アート・ファンならずともこの美術館に足を運びやすい環境が整えられている。

ダウンタウンの喧噪から近いにもかかわらず、落ち着いたたたずまいを見せる"Main Gallery"
©Auckland Art Gallery

Auckland Art Gallery - Toi o Tamaki
住所:Cnr. Wellesley & Kitchener Sts., Auckland
Ph:09-379-1349(インフォライン)、09-307-7700(メイン・ギャラリー)、09-307-4540(ニュー・ギャラリー)
開館時間:10:00〜17:00
定休日:グッド・フライデー、クリスマス
ガイドツアー:毎日14:00から(所要約45分。無料)
入場料:無料(ただし特別展は別料金)
Website:www.akcity.govt.nz/artgallery/


今までにない斬新な展示が国内でも賛否両論を呼んでいる
Museum of New Zealand - Te Papa Tongarewa

「なぜニュージーランドでは羊が重要なの?」という疑問がある人は“On the Sheeps Back”へ
©Te Papa Wellington

 現在、私たちが“テ・パパ”と呼んでいるこの博物館は、J・ヘクター(P.5)が1865年に“Colonial Museum”という名の下、国会議事堂の裏にある木造の建物でひっそりスタートさせた。その後、1913年の法改正により、国立美術館所蔵のコレクションを吸収し、バックル・ストリートに“Dominion Museum”と名を替えて再オープン。1972年に“National Museum”とさらに名を替えた。1980年代後半になると建物が手狭になり、1992年に初めて現在の“テ・パパ”が誕生する運びとなる。

 現在の建物が建設されたのは1994年から1998年にかけて。これは世界でも最大規模の博物館建設プロジェクトと言われている。そのフロア面積はラグビー場3個分、3万6,000平方メートルにも及ぶ。モダンなデザインの建物は国内で行われたコンペティションで選ばれた建築家によるものだ。

 豊富なコレクションを擁しているが、その中でもオープン以来の人気を誇るのがマオリ関連の展示、“Te Marae”と“Mana Whenua”。今までのマオリのマラエとはまったく違うイメージの“Te Marae”では、モダンでカラフルなカービングが、通常のマラエと変わらずイウィ(部族)とその祖先たちとの仲介をしている。と同時にヨーロッパ、アジア、ポリネシア的要素がデザインに取り入れられており、マオリ人以外の人たちにも親しみやすい。これが“Te Marae”がテ・パパのハートと言われるゆえんだ。

"Parade"にはユニークなアートも多く、アートはちょっとという人にも抵抗なく、受け入れられる
©Te Papa Wellington

 そのほかにもニュージーランド独特の動植物の生態系などの展示“Mountains to Sea”、“Bush City”、地球が生きていることを実感させられる“Awesome Forces”、マオリに関することが分かる“Iwi Exhibition”、“Signs of a Nation - Nga Tohu Kotahitanga”、太平洋諸国の文化を紹介する“Mana Pasifika”、この国の歴史と国民のアイデンティティーについて語られる“Passports”、“Exhibiting Ourselves”、“On the Sheeps Back”、さまざまなアートが鑑賞できる“Parade”などがある。1日では見切れないほどの数のコレクションなので、数日かけてゆっくり見学したい。


ウェリントンのウォーターフロントに位置するテ・パパは蜂の巣形の国会議事堂と並ぶ、同市のシンボル
©Te Papa Wellington

Te Whakarewarewa
住所:Cable St., Wellington
Ph:04-381-7000
開館時間:10:00〜18:00(木〜21:00)
定休日:なし
ガイドツアー:毎日10:30から(所要約45分。料金$9。予約は9:30からレベル1にあるメイン・エントランスにて)
入場料:無料(ただし特別展、“Time Warp”は別料金)
Website:www.tepapa.govt.nz


この記事は「Quarter 2001年秋号(Issue 4)」に掲載されたものです。記載されているデータ・情報は全て掲載時のものとなっております。予めご了承ください。

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