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ニュージーランドのアクティビティ

急流を乗りこなせ!カヤックの醍醐味

アウトドアのメッカ、ニュージーランド。美しい自然と澄んだ水に恵まれていることから、特にサマーシーズンは水上アクティビティを楽しむキーウィたちの姿をよく見掛ける。中でもカヤックやラフティングは初心者から上級者まで楽しむことができるため、川や海、湖などで盛んに行われているスポーツだ。
(Quarter 2003年夏号より)

Text / Photo by Kanji Saito

“過激”を好むのがキーウィ流

頭から足の先までずぶぬれ、おまけに川に転落することも。こんな面白いこと、誰が始めた?

 ゆっくりと流れる川に身を任せ、移り変わる景色を楽しむ。日が暮れれば、河原にテントを張り、たき火を囲んでじっくり酒を飲む、自由気ままな“川旅”──。カヤックといえば、こんな姿を想像する人が多いだろう。これはひとえに日本にカヤックの楽しみを広く紹介したアウトドア作家、野田知祐さんと、彼の相棒であるカヌー犬、ガクの影響に負うところが大きい。

 しかしここニュージーランドのカヤックは、川旅というよりむしろマウンテンバイク、サーフィン、スノーボードなどと同様、スポーツの一種であるといえよう。ゴウゴウと白波を立てて流れる瀬をこぎ下ったり、あるいはカヤックに乗ったまま滝を真っ逆さまに落ちたりと、その内容はまさに過激そのもの。そんなヘビーな水上アクティビティが盛んな理由は落差の大きな川が多いなど、この国独特の地形が挙げられるが、バンジージャンプを生んだ国民気質もかなり影響しているに違いない。

ニュージーランドの河川はエキスパート向き

波の中でどれだけ自由にカヤックを操れるかを競うロデオ競技。最近は、こうして宙に飛ぶまでになった

 ところで、カヤックで遊べる川はその難易度によって級数がついている。1級がもっとも簡単で、2級、3級と難易度も増す。6級が最上級で、これはカヤックでこいで下れる限界を示す。ごく一部のエキスパート、しかも肝っ玉がバスケットボールほどもあるような人たちが、顔をぱんぱんと平手でたたいて、「よっしゃあ!」と気合いを入れて下るような川だ。ちなみにタウポ郊外にあるフカ滝ですら、4級から5級とされている。このことからも6級がどんなにすごい流れであるかは想像できると思う。

 「カヤックに乗って滝を落ちる」のも人気がある。もちろん滝を選ばないといけないが、比較的安全なのが北島ムルパラ北部のランギタイキ川にある、アニファヌアの滝。怖がらずにこげる肝っ玉さえ持っていれば、初心者でも楽しめる。実際に下るよりも、写真で見た方がかなり迫力があるため、滝落ちを記念撮影して、後で友達に大げさに自慢するといいだろう。

 難しいポイントを攻めたり、急流を下ることを追い求めるエキストリーム系とは別に、波の中でいかにカヤックを自由に操り、さまざまな技を出せるかを競うロデオ系も盛んだ。99年には世界大会もニュージーランドで開催された。川は底の形状によって瀬や淵となるが、条件が合えばきれいな波が立ち、サーフィンだってできる。海の波と違うのは、岸に寄せても消えてしまわず、流れがある限り、同じ場所に常に波が立ち続けること。つまり、腕さえ良ければ永遠にサーフィンを続けられる。左右へのカットバック、水平にカヤックを360度回転させるスリーシックスティ、縦に回すカートホイール、勢いをつけて宙に上がって回るエアリアル・ブラントやヘリックスなどの技で優劣を競い合う。サーフィン向きの波で有名なスポットは、タウポ郊外、ワイカト川アラティアティア下流のフル・ジェイムス(ンガワプルワ)。また巻き返しの波(ホール)で人気があるのは、ロトルア、カイツナ川のボトムホールだ。休みの日には、ここでぐるぐる回っているカヤックがきっといるだろう。もちろん、初心者がいきなり縦や横に回れるわけはないので、まずはカヤックスクールに入って、ひっくり返った時に起きる方法(エスキモーロール)を習うところから始めよう。

初心者はラフティングやシーカヤックから

ぶらぶら散歩するように、流れていく。こがなくても進むから、とてもらくちん

 もっとお手軽に水上のスリルを味わいたいという人にはラフティングがある。北島、南島を問わず、観光地のそばには必ずラフティングを行っている川があるというくらい、この国では盛んなアクティビティ。ラフティングは安定しているので、ジェットコースター並みのスリルを満喫するには、難易度4級は欲しい。小さな子どもが一緒なら、2級程度のところがちょうど良いだろう。

 スリルを求めるよりも、水の上に浮いて、のんびりと漂いながら景色を眺めるカヤックがお望みなら、リバートリップやシーカヤックがお勧めだ。リバートリップはカヤック体験コースとも言うべきもので、めったにひっくり返らないタイプのカヤックを使うため、初心者でも安心。一方シーカヤックは、文字通り“海のカヤック”。安定性が高く、足で操る舵(ラダー)がついているため、コントロールしやすい。陸からは足を踏み入れられないビーチに行くことができるのも、シーカヤックならではだ。北島ではベイ・オブ・アイランズ、オークランド、フィティアンガ、また南島ならエイベルタスマンなどにシーカヤックツアー会社があり、海に連れ出してくれる。

国内のお勧めカヤックスクール&ツアー

■ ベイ・オブ・アイランズ
Coastal Kayakers
Ph:09-402-8105
E-mail:kayak@coastalkayakers.co.nz

■ オークランド
Auckland Canoe Centre
Ph:09-815-2073 / 0800-35-34-35
E-mail:acc@kayak.co.nz

■ フィティアンガ
Cathedral Cove Kayaks
Ph:07-866-3877
E-mail:info@seakayaktours.co.nz(日本語可)

■ タウポ
Wilderness Adventures
Ph:07-378-4514 / 0800-22-7238
E-mail:ian@wilderness.co.nz

■ エイベルタスマン
Able Tasman Kayaks
Ph:03-527-8022
E-mail:ryu@onjix.com(日本語可)

■ マーチソン
New Zealand Kayak School
Ph:03-352-5786
E-mail:kayaks@xtra.co.nz

斎藤 完治 Kanji Saito

1986年、フライフィッシングをするため1年の期限付きで日本を後にするが、“釣り天国”のニュージーランドでそのまま帰らぬ人となる。以降11年間、フィッシング・ガイドとして大勢の観光客を魅惑の世界に引きこみつつも、ある日、人の案内ばかりで自分の釣りができないことに我慢できなくなり、フリーライターに転向。雑誌『アウトドア』『フライロッダース』『フライフィッシャーズ』など多数に寄稿。著書に『巨大鱒に魅入られ、ニュージーランド暮らし』(つり人社)、『極楽ニュージーランドの暮らし方』(山と渓谷社)などがある。

この記事は「Quarter 2003年夏号(Issue 11)」に掲載されたものです。記載されているデータ・情報は全て掲載時のものとなっております。予めご了承ください。

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