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ニュージーランドのアクティビティ

人間と自然が一体になる旅 トランピング

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海と森のはざまを縫って
エイベルタスマン・コーストトラックを歩く

 エイベルタスマン・コーストトラックは、エイベルタスマン国立公園の海岸際を歩く、グレートウォークス(P.9参照)の1つで、全長51キロのコースだ。この周辺の気候は温暖で、日照時間は国内で1、2を争うほど長い。つまりそれだけ天候に恵まれているわけだ。そして、森あり海岸あり干潟ありと環境が変化に富んでいる割には、コースの標高差が少なく歩きやすい。バスやタクシーといった陸路だけでなく、ボートを使ったウォータータクシーによる水路も開けているので、コース途中の公衆電話を使い、ピックアップしてもらうこともできる。このようにコースの出発点、終着点への交通の便が良いため人気が非常に高い。かなりの人でにぎわうクリスマス前後のハイシーズンを避けて訪れる方が良いだろう。

 コースがあるエイベルタスマン国立公園は、1942年に設立された。その名前の由来でもあるエイベル・タスマンが、1642年にヨーロッパ人として初めてニュージーランドを発見したことを記念し、その300周年に合わせて国立公園となった。規模は国立公園としては小さく、また植生などもほかとは少し違っている。というのも、ヨーロッパからの移民が始まった1855年ごろから伐採が進み、現在ある森林はその後回復した二次林だからだ。いわば、原生林へと戻る途上にあるといえるだろう。

 公園内の大部分は、花こう岩の上にあるため、海岸は白砂で埋め尽くされている。干潟も泥ではなく砂なので、干潮時には歩くこともでき、それがこのトラックならではの楽しみとなっている。

 ピピ、コックルといった貝類も豊富にあり、ちょっと掘っただけでごっそりと採れるが、トンガ島を中心とした海岸線一帯は海洋保護区に指定されているので、釣りはもちろん潮干狩りも禁止。貝を採るときは場所をよく確認すること。

 公園内にはDOC管轄のハットが9つあるが、トラック上にあるのは、アンカレッジ、バークベイ、アワロア、ファリファランギの4つ。いずれもDOCでの予約が必要だ。プライベートなものとしては、アワロアロッジが有名だが、やはり人気が高いので予約した方が良い。

マラハウ―アンカレッジ
距離:11.5キロ 所要時間:約4時間

空が真っ赤に染まり、海がゆっくりと闇の中へ沈んでいく。アワロアをベースに、トランピングやシーカヤックを日帰りで楽しむこともできる ©Abel Tasman National Park Enterprises Ltd.

 マラハウの集落を抜けたところからトラックは始まる。歩きやすいトラックが斜面に切られ、海を見下ろしながら木立の中を抜けていく。アップルツリーベイ、スティルウェルベイをはじめ、幾つかの美しい海岸に降りることができるので、波打ち際で休憩するのも楽しい。スティルウェルベイを過ぎると、トラックは海岸から離れ、内陸へと向かう。ブナとカヌカの木が美しい。この先、アンカレッジハットまでは、途中に何本かほかのトラックとの分岐点があるので、標識をよく見て、間違えないようにしよう。

アンカレッジ―バークベイ
距離:9.5キロ 所要時間:約3時間

干満の差が激しく、引き潮では大きかった浜も、潮が満ちてくるとあっという間に小さくなってしまう。キャンプをするときは要注意 ©Department of Conservation/Peter Blok

 小さな岬を越えたら、いよいよタイダル・ウォークだ。これは入江の浅いところを干潮に合わせて歩くもので、干潮の前後2時間ずつの間、計4時間しか渡ることはできない。潮が満ちている場合は、湾をぐるりと回る道もあるが、その場合は私有地の中を通り抜けることになる。潮の回りは、ハットなどに置いてある潮見表(Tide chart)で確認すること。トレントベイを過ぎた辺りで、トラックは内陸へと入る。尾根を幾つか越えると、公園内最大の川であるフォールス川のつり橋へと出る。満潮時には、カヤックやウォータータクシーもこの辺りまで入って来られる。この橋を過ぎてからまた海岸近くまで降りれば、ハットはもう遠くない。

バークベイ―アワロア
距離:11.5キロ 所要時間:約4時間

引き潮にタイミングを合わせて歩く。さもないと遠回りどころか、場所によっては渡れなくなってしまう。出発前には潮の干満の確認を忘れずに ©Abel Tasman National Park Enterprises Ltd.

 潮が引いていたら干潟を、満ちているようならトラックを歩いて、バークベイを抜ける。ここからトラックは海を離れ、急な上りとなる。マヌカとゴース(和名をハリエニシダという移入種の植物)の林が続くが、これはもともとやせた土地に、山火事があったため。前方の緑の合間に細長いビーチが見えたら、それがオネタフティビーチだ。この辺りはすでに海洋保護区の中なので、貝などを採るのは禁止。ビーチの出口に当たるところに川が流れ込んでいるが、干潮時の前後4時間(計8時間)なら、まず問題なくタイダル・ウォークが楽しめる。ここまで来れば、もう1つ峠を越したところにあるアワロアまではあと1時間だ。

アワロア―トタラヌイ
距離:5.5キロ 所要時間:約1時間半

 まずタイダル・ウォークから始まるが、ここには陸路がないので、潮に合わせて渡るしかない。渡れるのは干潮時の前後2時間(計4時間)だけだ。雨などが降って川が増水している時は、干潮時でも渡るのは止めた方が良い。ちょっとした鞍部を過ぎると再びトラックは海岸に戻る。トタラヌイにはウォータータクシーだけでなく、車でも入れるので、バスの定期便もある。ワイヌイまで歩かず、ここをトランピングのゴールにすることも可能だ。 公衆電話も設置されているので、ここからウォータータクシーを呼び、戻ることもできる。

トタラヌイ―ファリファランギ
距離:7.5キロ 所要時間:約3時間

ブッシュと砂浜を交互に歩き抜ける。砂浜でも一番距離が長いのが、トタラヌイの浜だ。ここには陸路が通じており、公衆電話もある ©Abel Tasman National Park Enterprises Ltd.

 トタラヌイの干潟を回って、山を越え、アナパイベイで海岸に出る。アナタカパウベイを過ぎると道は2つに分かれる。右に行けば、アザラシのコロニーがあるセパレーションポイント。こちらを回っていくには、時間を1時間余分に見ておくこと。エイベル・タスマンが300年前に到達したのは、このセパレーションポイントの先、ファリファランギベイとされている。

ファリファランギ―ワイヌイ
距離:5.5キロ 所要時間:約1時間半

 海岸に背を向けてゴース(ハリエニシダ)の生い茂る山を越え、干潟に出たら、ゴールの駐車場は間近だ。51キロの全行程踏破の喜びと、もっと自然に浸っていたい気持ちでいっぱいになるだろう。>>次のページへ

©Abel Tasman National Park Enterprises Ltd.

シーカヤックを中心とした各種ツアーに挑戦

マラハウ、カイテリテリには、シーカヤックツアーを催行している会社が数多くある。これは、それだけこのエリアが美しく、またシーカヤックに適していることの証だ。
シーカヤックツアーには、日帰りから、2日、3日とキャンプをするもの、また会社によってはトランピングと組み合わせたツアーを催行しているところもあるので、観光案内所などで各社のパンフレットを見比べ、自分の好きなものを選ぶと良いだろう。

Abel Tasman National Park
Enterprises Ltd.
Ph:0800-223-582/0800-221-888
Fax:03-528-0297
E-mail:info@abeltasman.co.nz
Website:www.abeltasman.co.nz

Abel Tasman Kayaks
Ph:0800-527-8022
Fax:03-527-8032
E-mail:atk@kayaktours.co.nz

問い合わせ先一覧

ハットの予約
Abel Tasman Coast Track Booking Desk(DOC)
Ph:03-528-0005
Fax:03-528-6563

その他の情報
Motueka(DOC)
Ph:03-528-1810
Fax: 03-528-1811
E-mail:MotuekaAO@doc.govt.nz

プライベートロッジ
Awaroa Lodge(アワロアベイ)
Ph:03-528-8758
Fax:03-528-6561
E-mail:stay@awaroalodge.co.nz

Kanuka Hill Lodge(アンカレッジ)
Ph:03-548-2863
Fax:03-548-2869
E-mail:stay@kanukalodge.co.nz

ウォータータクシー
Abel Tasman Aqua Taxi
Ph:0800-278-282
Fax:03-527-8282
E-mail:Aquataxi@extra.co.nz

この記事は「Quarter 2002夏号(Issue 7)」に掲載されたものです。記載されているデータ・情報は全て掲載時のものとなっております。予めご了承ください。

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